2歳が噛むのはなぜ?保育士19年が原因と対応方法を解説
保育士19年で感じた「2歳の噛みつき」の特徴
保育士として19年間子どもたちを見てきましたが、2歳になってから噛みつきが始まる子も時々いました。
もちろん個人差はありますが、多くのお子さんは言葉が育つにつれて少しずつ噛まなくなっていきます。
一方で、2歳になると1歳の頃とは噛みつき方が少し変わってくることがあります。
1歳頃は、特に理由が分からないまま突然噛んでしまったり、お友達とのトラブルになる前に噛んでしまったりすることも少なくありません。
しかし2歳になると、自我が育ち、お友達との関わりも増えるため、おもちゃの取り合いや順番待ちなど、友達同士のトラブルがきっかけで噛みつく場面が多くなってきます。
噛む場所もさまざまで、腕や足だけではありません。
私は顔や頭を噛んでしまったケースも経験しました。
中には、「数日後に七五三の写真撮影を控えていた」というお子さんもいて、保護者の方と一緒にとても心を痛めたことを今でも覚えています。
また、2歳児クラスは発達の個人差がとても大きい時期でもあります。
4月生まれのお子さんと3月生まれのお子さんでは、約1年もの成長の差があります。
その差は言葉だけではなく、体の発達や感情をコントロールする力、人との関わり方にも表れてきます。
そのため、「同じ2歳だから」と一括りに考えるのではなく、一人ひとりの発達に合わせて関わることが大切だと、私は19年間の保育を通して感じてきました。
2歳が噛む主な理由
では、2歳の子どもはなぜ噛んでしまうのでしょうか。
2歳は、言葉が増えてくる一方で、自分の気持ちをまだ十分に伝えきれない時期です。
「貸して」「嫌だった」「やめてほしかった」という思いがあっても、とっさに言葉より先に体が動いてしまうことがあります。
① 言葉で気持ちを伝えきれない
2歳になると少しずつ言葉は増えてきますが、感情が高ぶった時にすぐ言葉で伝えることはまだ難しいです。
「嫌だった」
「取られた」
「使いたかった」
という気持ちをうまく言えず、噛むという行動で表してしまうことがあります。
② おもちゃの取り合いになる
2歳児クラスで多いのが、おもちゃの取り合いからの噛みつきです。
自分が使っていたものを取られた、使いたかったものを友達が持っていた、順番を待てなかったなど、子ども同士の関わりが増えるからこそ起こるトラブルです。
③ イヤイヤ期で気持ちが爆発する
2歳はイヤイヤ期と重なる時期でもあります。
「自分でやりたい」「思い通りにしたい」という気持ちが強くなる一方で、まだ気持ちを切り替える力は育っている途中です。
そのため、悔しさや怒りが一気にあふれてしまい、噛みつきにつながることがあります。
保育士19年で感じた「2歳児クラス」の難しさ
私は19年間保育士として働く中で、2歳児クラスを5回担任しました。
正直に言うと、噛みつきが一度もなかった年はなかったと思います。
それほど2歳児は噛みつきが起こりやすい年齢です。
2歳児クラスの保育士配置は、国の基準では子ども6人に対して保育士1人です。
例えば18人のクラスであれば、保育士3人で保育を行います。
人数だけを見ると十分に思えるかもしれません。
しかし、実際の保育現場は想像以上に忙しく動いています。
特に4月や5月は、新しい環境に慣れる時期でもあり、子どもたちも不安定になりやすい時期です。
さらに、この頃からトイレトレーニングも本格的に始まります。
お漏らしの対応や着替えをしている間に、別の場所では友達同士のトラブルが起こることも珍しくありません。
保育現場では、このような出来事は日常茶飯事です。
1歳児クラスでは、どうしても噛みつきを繰り返してしまうお子さんを、一時的におんぶしながら安全を確保することもありました。
しかし2歳になると、体も大きくなり、自分で遊びたい気持ちも強くなります。
そのため、1歳児の頃と同じ対応は難しくなります。
トラブルが起きた時には、お互いの気持ちを受け止めながら仲立ちをしていくことが大切です。
「ケンカはだめだよ」と伝えるだけでは、本当の解決にはなりません。
「貸してほしかったんだね」「嫌だったんだね」と気持ちを代弁し、少しずつ言葉で伝える方法を一緒に覚えていくことが大切だと感じています。
私は5回の2歳児担任を経験する中で、2歳児保育の難しさと奥深さを何度も実感してきました。
だからこそ、噛みつきを「悪い行動」とだけ捉えるのではなく、その子が何を伝えたかったのかを考えることが大切だと思っています。
家庭でできる2歳の噛みつきへの対応
① 気持ちを言葉にしてあげる
2歳は「嫌だった」「貸してほしかった」「まだ使いたかった」など、気持ちはあっても言葉で伝えることが難しい時期です。
噛んでしまった時は、「貸してほしかったんだね」「嫌だったんだね」と、大人が子どもの気持ちを代弁してあげましょう。
気持ちを受け止めてもらう経験を積み重ねることで、少しずつ言葉で伝える力が育っていきます。
② 「噛んではいけない」は短く伝える
噛んだ後に長く叱る必要はありません。
「噛むと痛いよ。」
「お友達は悲しいよ。」
短く、分かりやすく伝えることが大切です。
その後に、「嫌だったら『やめて』って言おうね」「貸してって言ってみようね」と、代わりの伝え方を教えてあげましょう。
③ 言葉で伝えられた時はたくさん褒める
「貸してって言えたね。」
「ちゃんと教えてくれてありがとう。」
噛まなかった時こそしっかり認めることで、「言葉で伝えると気持ちが伝わる」という成功体験につながります。
④ 家庭でも生活リズムを整える
眠い時や疲れている時、お腹が空いている時は、2歳の子どもは気持ちをコントロールしにくくなります。
十分な睡眠や食事、ゆったり過ごせる時間をつくることも、噛みつきを減らす大切なポイントです。
2歳の噛みつきはいつまで続く?
多くのお子さんは、言葉で気持ちを伝えられるようになる3歳頃にかけて少しずつ減っていきます。
もちろん個人差はありますが、発達とともに噛みつきが自然に少なくなるケースがほとんどです。
私自身も19年間の保育の中で、2歳の頃に噛みつきが多かった子が、3歳になる頃には落ち着いていく姿を何度も見てきました。
こんな時は専門家へ相談しましょう
- 3歳を過ぎても頻繁に噛みつきが続く
- 自分自身を噛むことが多い
- 強いかんしゃくやパニックを伴う
- 家庭でも保育園でも頻繁に繰り返している
心配な場合は、一人で抱え込まず、保育園や幼稚園の先生、小児科、地域の子育て相談窓口へ相談してみましょう。
よくある質問(Q&A)
Q. 2歳になって急に噛むようになりました。大丈夫ですか?
2歳になってから噛みつきが始まることは珍しくありません。
1歳の頃は理由なく噛んでしまうこともありますが、2歳になると友達との関わりが増え、おもちゃの取り合いや順番待ちなどのトラブルがきっかけになることが多くなります。
言葉の力が育ってくるにつれて、少しずつ減っていくお子さんがほとんどです。
Q. 2歳の子どもが友達を噛んでしまいました。どう対応すればいいですか?
まずは噛まれたお子さんへの配慮を行い、その後、噛んでしまった理由を一緒に考えてあげることが大切です。
「貸してほしかったんだね」「嫌だったんだね」と気持ちを受け止めながら、「噛むと痛いよ」と短く伝えましょう。
Q. 家では噛まないのに保育園だけで噛みます。なぜですか?
保育園では友達との関わりが多く、思い通りにならない場面が増えます。
家庭では経験しないようなトラブルも多いため、保育園だけで噛みつきが見られることもあります。
園と家庭で様子を共有しながら、一緒に対応していくことが大切です。
Q. 2歳の噛みつきはいつまで続きますか?
個人差はありますが、多くのお子さんは3歳頃になると、言葉で気持ちを伝える力が育ち、噛みつきは少しずつ減っていきます。
まとめ
- 2歳になると友達とのトラブルがきっかけで噛みつくことが増える
- 言葉で気持ちを伝えきれないことが大きな原因の一つ
- 4月生まれと3月生まれでは約1年の発達差があり、一人ひとりへの関わりが大切
- 叱るだけではなく、気持ちを受け止めて言葉を育てることが重要
- 多くの子どもは成長とともに自然に噛みつきが減っていく
2歳の噛みつきは、保護者にとっても保育士にとっても心が痛む出来事です。
しかし、その背景には必ず子どもなりの理由があります。
焦って叱るだけではなく、「何を伝えたかったのだろう」と気持ちに目を向けることで、少しずつ言葉で伝える力が育っていきます。
一人で悩まず、お子さんの成長を信じながら見守っていきましょう。
参考資料
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