2歳が着替えないのはなぜ?保育士19年が原因と関わり方を解説

2歳が着替えないことで、
毎朝「早くして!」と言ってしまい、疲れていませんか?

朝の忙しい時間に、なかなか着替えてくれない。
「早く着替えて」と何度言っても遊び続けている。
洋服を準備すると「イヤ!」と逃げてしまう。
自分でやると言ったのに、うまくできずに泣いて怒る。

毎日の着替えに時間がかかると、

「どうして着替えてくれないの?」
「ほかの子はできているのに……」
「私の関わり方が悪いのかな」

と悩んでしまうこともあると思います。

しかし、2歳頃の子どもが着替えを嫌がることは、
保育現場でも見られる姿のひとつです。

保育士として19年間、多くの子どもたちと関わり、
2歳児クラスも複数回担当してきましたが、
着替えを嫌がったり「自分で!」と怒ったりする場面を何度も見てきました。


2歳が着替えない背景には、遊びを続けたい、自分でやりたい、
好きな服を着たいなど、その子なりの理由があることがあります。

この記事では、保育士19年・3児の母・現役ベビーシッターとしての経験をもとに、
2歳が着替えない理由と、
保育園で大切にしてきた関わり方、
家庭で今日から試せる声かけをご紹介します。



1. 2歳が着替えないのはなぜ?

2歳頃は、
「自分でやりたい」「自分で決めたい」という気持ちが強くなってくる時期です。

一方で、手先の動きや体の使い方はまだ発達の途中です。

自分でやりたいのに、思うように洋服を着られない。
袖に手が通らない。
ズボンに両足を入れてしまう。
洋服の前後が分からない。

そんなときに悔しくなり、
泣いたり「もう着ない!」と怒ったりすることがあります。

また、2歳頃は大人のように時計を見て、

「あと10分で家を出るから、今着替えよう」

と先の予定を考えて行動することはまだ難しいことがあります。

大人は「保育園に遅れる」と焦っていても、
子どもは目の前の遊びに夢中です。

そのため、
「着替えたくない」というより、まだ着替える気持ちに切り替わっていない
場合もあります。


2. 2歳が着替えない4つの理由

① 遊びをやめたくない

2歳頃の子どもにとって、遊びはとても大切な時間です。

積み木を作っている途中。
お気に入りの車で遊んでいる途中。
絵本を見ている途中。

そんなときに突然、
「着替えるよ」と言われても、
すぐに気持ちを切り替えられないことがあります。

「着替えが嫌」というより、
今している遊びを終わらせることが嫌
なのかもしれません。

② 自分でやりたい

2歳頃になると、
「自分で!」という言葉が増えてくることがあります。

洋服を着せようとすると大人の手を払い、
自分で挑戦しようとすることもあります。

でも、まだ一人ですべて着替えるのは難しい場合があります。

自分ではうまくできない。
でも、大人には手伝ってほしくない。

そんな気持ちがぶつかって、
泣いたり怒ったりすることがあります。

全部を任せるのが難しいときは、
子どもができる部分を残して、難しいところだけ手伝う
方法がおすすめです。

③ 眠い・疲れた・甘えたい

眠いときや疲れているときは、
普段できることも難しくなることがあります。

  • 朝起きたばかりで眠い
  • たくさん遊んで疲れている
  • お腹が空いている
  • ママやパパに甘えたい

同じ関わり方をしていても、
昨日できたことが今日はできないこともあります。

その日の心や体の状態も、
着替えに影響することがあります。

④ 洋服へのこだわりや着心地が気になる

好きな色や柄、キャラクターなどへのこだわりが強くなることもあります。

「この服がいい」
「このズボンは嫌」
「昨日の服を着たい」

と主張することもあります。

また、

  • タグが当たる
  • 素材がチクチクする
  • 首元が苦しい
  • ゴムがきつい
  • 暑い・寒い

など、着心地が気になっている場合もあります。

2歳が着替えない状態が特定の服で特に強い場合は、
素材やサイズ、タグなども確認してみましょう。


3. 2歳が着替えないとき|保育園で大切にしていた関わり方

「うちの子だけ着替えないのでは……」
と心配になる方もいると思います。

でも、保育園でも着替えを嫌がる子どもはいました。

私が担当したクラスでは、
18人の元気いっぱいの2歳児を3人の保育士で見ていた時期もあります。

お昼ご飯のあとに一斉にパジャマへ着替える時間は、
とてもにぎやかでした。

「まだ遊びたい!」
「自分でやる!」
「先生やって!」
「このパジャマ嫌!」

さまざまな声が聞こえてきます。

最初は着替えに時間がかかる子もいました。

でも毎日、

お昼ご飯を食べる。
手や口をきれいにする。
パジャマに着替える。
絵本を見る。
布団に入る。

という同じ流れを繰り返していくことで、
少しずつ「次に何をするのか」が分かるようになっていきました。

「パジャマに着替えたら絵本を読もうね」
「着替えが終わったら好きな絵本を見よう」

と、着替えたあとの予定を伝えることもありました。


毎日の同じ流れと、「このあと何をするのか」が分かることが、
気持ちの切り替えにつながる子もいました。

もちろん、毎日同じようにできるわけではありません。

眠い日もあります。
疲れている日もあります。
甘えたい日もあります。

そんな日は、

「今日は先生がお手伝いするね」
「ズボンは先生が手伝うから、シャツは自分でやってみる?」

と、必要な部分を手伝っていました。

一日だけを見て、
「今日もできなかった」と焦る必要はありません。


4. 2歳が着替えないとき|家庭でできる5つのコツ

① 洋服を2つから選んでもらう

2歳頃は、自分で決めたい気持ちが育ってきます。

そこで、一方的に服を決めるのではなく、
2つ程度用意して選んでもらいます。

  • 「赤い服と黄色い服、どっちにする?」
  • 「車のズボンと、しましまのズボン、どっちがいい?」

選択肢を多くしすぎると迷ってしまうことがあるので、
2つ程度にすると選びやすくなります。

② 着替える前に予告する

遊びの途中で突然「着替えて」と言われると、
気持ちを切り替えにくくなります。

例えば、

  • 「車をあと3回走らせたら着替えよう」
  • 「この絵本が終わったら着替えよう」
  • 「このブロックを完成させたらお着替えしようね」

と伝えてみます。

「5分後」など時間で伝えるより、
遊びの回数や区切りで伝えた方が分かりやすい子もいます。

③ 着替えた後の流れを伝える

着替えのあとに何をするのか分かることで、
動きやすくなることがあります。

  • 「着替えたら朝ご飯にしよう」
  • 「着替えたら絵本を一冊読もう」
  • 「パジャマに着替えたらお布団へ行こう」

毎回ご褒美を用意する必要はありません。

生活の流れを分かりやすく伝えることがポイントです。

④ できた部分を具体的に伝える

一人ですべて着替えられなくても大丈夫です。

洋服を持ってきた。
ズボンに片足を入れた。
シャツから頭を出した。
脱いだ服をかごに入れた。

そんな小さな姿を見つけて、

  • 「自分でズボンを持ってきたね」
  • 「片足入れられたね」
  • 「脱いだ服をかごに入れられたね」

と具体的に伝えます。

結果だけではなく、
「自分でやってみようとしたこと」にも目を向けてみましょう。

⑤ 忙しい日は大人が手伝っても大丈夫

忙しい朝に、すべて子ども自身に任せることが難しい日もあります。

そんな日は大人が手伝って大丈夫です。

「今日は時間がないから、お母さんがお手伝いするね」
「シャツは手伝うね。ズボンは自分でできるかな?」

などと短く伝えます。

時間のある日は少し待つ。
忙しい日は手伝う。

毎日同じ対応にしなくても大丈夫です。


5. 場面別|2歳が着替えないときの具体的な声かけ

朝、遊び続けて着替えないとき

  • 「車をあと2回走らせたら着替えよう」
  • 「青い服と黄色い服、どっちにする?」
  • 「この遊びが終わったらお着替えしようね」

遊びを突然取り上げるのではなく、
区切りを作って伝えてみます。

「自分でやる」と言うのに進まないとき

  • 「自分でやりたいんだね。見ているね」
  • 「頭を入れるところだけお手伝いする?」
  • 「片足は自分で、もう片足は一緒にやる?」

すぐに大人が全部やらず、
少し待ってみることも大切です。

うまくできず怒っているとき

  • 「自分でやりたかったね」
  • 「袖が通らなくて悔しかったね」
  • 「ここまでできたね。続きは一緒にやる?」

「だから言ったでしょう」と責めるより、
まず悔しかった気持ちを言葉にします。

同じ服ばかり着たがるとき

清潔で、気温や活動に合っている服であれば、
同じお気に入りの服を選んでも大きな問題はありません。

着られない場合は、

  • 「その服は今お洗濯しているよ」
  • 「今日は寒いから上着も着ようね」
  • 「今日はこの2つならどっちにする?」

など、理由を短く伝えて代わりの選択肢を示します。

パジャマから着替えたがらないとき

  • 「パジャマ気持ちいいね」
  • 「帰ってきたらまた着ようね」
  • 「パジャマはお布団で待っていてもらおうか」

お気に入りのパジャマを否定せず、
また着られることを伝えてみます。


6. 2歳が着替えないときに、できるだけ避けたい対応

① 何も言わず無理やり着替えさせる

時間や安全上の理由で、
大人が着替えを手伝う必要があることもあります。

その場合でも、

「自分でやりたかったね。でも今日は時間がないから手伝うね」

など、短く説明してから進めるとよいでしょう。

② 「なんでできないの?」と責める

2歳頃は、まだ着替える力を身につけている途中です。

できなかった部分より、
できた部分を見つけてみましょう。

③ 兄弟やほかの子と比べる

「お兄ちゃんはできたよ」
「保育園のお友達はできるよ」

と比べるより、
その子自身の昨日との違いを見ることをおすすめします。

④ 何度も「早く」と言い続ける

「早く」
「まだなの?」
「何回言えば分かるの?」

と繰り返すと、
かえって気持ちを切り替えにくくなることがあります。

一度短く伝えたら、
少し待つ時間を作ってみるのも一つです。

⑤ 着替えが終わったあとも叱り続ける

着替えが終わったあとまで注意が続くと、
着替え自体が嫌な時間になってしまうことがあります。

必要なことを伝えたら、
そのあとは気持ちを切り替えて次へ進みましょう。


7. 2歳がどうしても着替えないときは?

選択肢を出しても、
予告しても、
どうしても着替えない日はあります。

そんなときは、まず子どもの状態を確認してみましょう。

  • 眠くないか
  • 疲れていないか
  • お腹が空いていないか
  • 甘えたい気持ちはないか
  • 洋服が不快ではないか
  • 遊びを急に中断されていないか

今すぐ着替える必要がないのであれば、
少し時間を置いてもよいでしょう。

一方、保育園や仕事へ行く時間が迫っている場合は、
大人が手伝って生活を進めることも必要です。


子どもの気持ちを分かろうとしながら、
必要な生活を進めていくこと

を大切にしてみてください。

どうしても自宅で着替えられない場合は、
園の方針にもよりますが、
事前に保育園へ事情を相談しておく方法もあります。

一度うまくいかなかったからといって、
その後ずっと着替えられないわけではありません。

※ 子どもの発達や行動には個人差があります。
着替えだけでなく日常生活のさまざまな場面で強い困りごとが続く場合や、
発達について心配がある場合は、
自治体の子育て相談窓口や医療機関などへご相談ください。
子育て支援に関する公的情報は、

こども家庭庁

でも確認できます。


8. よくある質問|2歳が着替えないとき

Q. 毎朝着替えを嫌がります。大丈夫ですか?

遊びを続けたい、自分で決めたいなど、
さまざまな理由で着替えを嫌がることがあります。

少し余裕を持って声をかけたり、
服を2つから選んでもらったり、
着替えのあとの予定を伝えたりしてみましょう。

Q. 保育園では着替えるのに、家では着替えません

家庭と保育園では環境が違います。

保育園では周りのお友達の姿や毎日の決まった流れがあるため、
着替えやすい子もいます。

家では安心して甘えたい気持ちが出る場合もあります。

Q. 同じ服しか着てくれません

好きな服へのこだわりが見られることはあります。

清潔で、気温や活動に合っていれば、
お気に入りの服を選ばせてもよいでしょう。

Q. 何歳頃から一人で着替えられますか?

発達には個人差があります。

2歳頃は、
ズボンを脱ぐ、片足を入れる、シャツを引っ張るなど、
部分的にできることが少しずつ増えていく時期です。

一人ですべてできることを急がず、
できる部分を増やしていきましょう。

Q. 着替えなくて怒ってしまいました。どうしたらいいですか?

落ち着いてから、

「さっきは大きな声を出してごめんね」
「急いでいて困っていたんだ」

と伝えても大丈夫です。

毎回理想的に対応することより、
うまくいかなかったあとに親子で関係を戻していくことも大切です。


9. 保育士19年・3児の母として伝えたいこと

2歳頃は、
「自分でやりたい」という気持ちと、
まだうまくできないことの間で、
子ども自身も葛藤することがあります。

特に朝は、
仕事や保育園の時間があり、
大人もゆっくり待つことが難しいですよね。

私自身も、
保育士としては子どもの気持ちを待てても、
家庭では余裕がなくなって
「早くして」と言ってしまったことがあります。

だから、毎朝完璧に待ってあげなければいけないとは思いません。

忙しい日は手伝っていい。
待てない日があってもいい。
昨日できたのに、今日はできない日があってもいい。

大切なのは、
毎日完璧に着替えさせることではなく、

「自分でやりたいんだね」
「今日はお手伝いするね」
「ここまで自分でできたね」

と、その日の子どもの姿を見ながら関わっていくことだと思っています。

保育園でも、
最初は着替えに時間がかかっていた子が、
毎日の生活を繰り返す中で、
いつの間にか自分からパジャマを出して着替え始める姿を見てきました。

今は毎日の着替えが大変でも、
ずっと同じ状態が続くとは限りません。

一日だけで判断せず、
小さな変化を見つけていきましょう。


まとめ|2歳が着替えないときは理由を知って関わろう

2歳が着替えない背景には、
遊びを続けたい、自分でやりたい、
洋服が気になるなど、さまざまな理由があります。

  • 服は2つ程度から選べるようにする
  • 着替える前に予告する
  • 着替えたあとの流れを伝える
  • 全部できなくても、できたところを見る
  • 忙しい日は大人が手伝ってもよい
  • 洋服の素材や着心地も確認する
  • 毎日同じようにできなくても焦らない

一度でできるようにしようとするより、
毎日の生活の中で少しずつ経験を積み重ねていくことが大切です。

「今日はできなかった」だけではなく、
昨日より少しできたことも一緒に見つけていきましょう。


関連記事


この記事を書いた人

2歳が着替えない理由と関わり方を解説する保育士 田中美穂

田中 美穂(MamaStart代表)

保育士歴19年・現役ベビーシッター・子育てコーチング認定講師・3児の母。

保育園で0歳児から就学前まで多くの子どもたちと関わり、
2歳児クラスも複数回担当してきました。

現在は訪問型ベビーシッター・子育て相談・子育てコーチングを通して、
子どもの成長だけでなく、
毎日子育てを頑張る保護者にも寄り添う活動を行っています。


運営者プロフィール・経歴を見る


子育て相談・お問い合わせはこちら