子どもを叱る前に試してほしいこと|保育士が実践する声かけ
叱る前の声かけを変えたいと思っていても、時間に追われると、つい強い言い方になってしまうことはありませんか。
「また叱ってしまった」「本当はこんな言い方をしたくなかった」と、あとから落ち込む日もありますよね。
私も保育士として19年間、子どもたちや保護者の方と関わる中で、同じような悩みを聞いてきました。
この記事では、子どもの安全を守るためにすぐ止めるべき場面にも触れながら、
叱る前に自分の気持ちを確かめる方法と、子どもに伝わりやすい声かけを紹介します。
叱る前に、自分の状態を確かめる
朝の支度や外出前など、時間がないときほど「早くして」と言いたくなります。
そんなときは、子どもに話しかける前に「今、私は焦っているな」と心の中で確認してみてください。
余裕がないことに気づいたからといって、すぐに落ち着けるとは限りません。
それでも、一呼吸おいてから話すと、伝える言葉を選びやすくなることがあります。
たとえば「どうしてまだ準備していないの?」と言う前に、
「次は靴を履こうね」と、してほしい行動を一つ伝える方法があります。
危ない行動は、声かけより先に止めて大丈夫
道路に飛び出しそうなときや、人を叩いているときは、まず安全を確保します。
その場でゆっくり気持ちを聞こうとする必要はありません。
「止まって」「叩かないよ」と短く伝え、安全な場所へ移ってから話しましょう。
子どもの気持ちを聞くことと、危険な行動を止めることは両立できます。
叱る前の声かけを、場面に合わせて考える
叱る前の声かけに、どの子にも必ず届く決まった言葉はありません。
まずは何が起きているかを見て、短い言葉で伝えてみましょう。
遊びをやめられないとき
「まだ遊びたかったね。あと1回遊んだら片付けようか」と、
気持ちを言葉にしながら、次の行動を伝えます。
約束を変えられない場面では、できる範囲をはっきり伝えて大丈夫です。
何を嫌がっているのか分からないとき
「どうしたの?」と聞いてみるのも一つの方法です。
ただし、泣いていて答えられないときは、何度も質問せず、
「ここにいるよ」と伝えて少し待ちましょう。
急いで準備してほしいとき
「早くして」を繰り返すより、「靴を履こう」「かばんを持とう」と、
次にすることを一つずつ伝えてみます。
子どもが選べる余裕があれば、「自分で履く?手伝おうか?」と聞く方法もあります。
保育現場で大切にしてきた、叱る前の声かけ
保育園でも、片付けの時間になってなお遊びたい子がいます。
すぐに動けないときは、「片付けて」と重ねて言う前に、
何をしていたのか、どこで気持ちが止まっているのかを見るようにしてきました。
たとえば、作っている途中のものを残したかったのかもしれません。
その場合は「ここまで作りたかったんだね」と伝え、
続きができる方法を一緒に考えられることもあります。
もちろん、毎回その方法でうまくいくわけではありません。
子どもの気持ちを確かめたうえで、必要なことを短く伝える。
私はその順番を大切にしています。
強く言ってしまったあとも、話し直せます
疲れている日には、思っていたより強い声が出ることもあります。
そんなときは、親自身が少し落ち着いてから、子どもに話し直してみてください。
「さっきは大きな声になってごめんね」
「急いでいて、強い言い方になったね」
と、自分の言い方について短く伝えられます。
そのあとで「片付けは必要だから、一緒に始めよう」と、
伝えたいことを改めて話しても大丈夫です。
一度うまく言えなかった日も、親子で話し直す機会にできます。
まとめ|叱る前の声かけは、一つ変えるところから
- まず自分が焦っているかどうかに気づく
- 危険な行動は、先に止めて安全を確保する
- 子どもの様子を見て、短い言葉で気持ちと次の行動を伝える
- 強く言ったときは、落ち着いてから話し直す
毎回うまく言おうとしなくて大丈夫です。
まずは今日、「早くして」の代わりに次の行動を一つ伝えるなど、
できそうなことから試してみてください。
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この記事を書いた人
田中美穂|保育士歴19年
保育士として19年間、子どもたちと保護者に関わってきました。
3児の母、現役ベビーシッターとしての経験をもとに、
日々の子育てに役立つヒントを発信しています。
