「早くして!」をやめたいママへ|子育てコーチングで変わる声かけ
「早くして!」をやめたいママへ|子育てコーチングで変わる声かけ
朝の支度や外出前、何度声をかけても進まないと、つい口から出てしまう言葉があります。
それが、「早くして!」です。
言ったあとに、
「本当は言いたくなかったのに」
「また強く言ってしまった」
とモヤモヤするママも多いのではないでしょうか。
私自身、保育士として19年間たくさんの親子に関わってきましたが、子育ての中では何度もこの言葉を使ってきました。
頭では分かっていても、毎日の子育てでは余裕がなくなることがあります。
特にワンオペの日や、やることが重なっている日は、子育てに限界を感じるくらいしんどくなることもありますよね。
そんな中で、子育てコーチングの考え方に触れたことで、私は少しずつ声かけの見方が変わっていきました。
今回は、「早くして!」と言ってしまう理由と、ママの気持ちが少しラクになる関わり方を、保育士の経験も交えながらやさしくお伝えします。
「早くして!」と言ってしまって落ち込むママへ
「また言ってしまった」
「もっと穏やかに言いたかった」
そんなふうに、自分を責めてしまう夜はありませんか。
でも、まず知ってほしいのは、「早くして!」と言ってしまうママがダメなわけではないということです。
その言葉の奥には、時間に間に合わせたい気持ちや、家のことも回したい気持ち、子どものことをきちんと見たい気持ちがあります。
つまり、どうでもいいから言っているのではなく、毎日を一生懸命回そうとしているからこそ出る言葉なのです。
保育の現場でも、真面目で頑張り屋のママほど「また怒っちゃって」と落ち込む姿をたくさん見てきました。
だからこそ最初に伝えたいのは、責めるより先に「私、今日も頑張ってたんだな」と気づいてほしいということです。
「早くして!」は、悪い声かけではありません
子育てコーチングでは、言葉そのものだけを見るのではなく、「その言葉が生まれた背景」を大切にします。
同じ言葉でも、その奥にどんな気持ちがあるのかを見ることで、関わり方は変わっていきます。
「早くして!」の奥には、たとえばこんな気持ちが隠れています。
- 時間に間に合わない焦り
- 何度も伝えている疲れ
- ちゃんと進めたいという責任感
- このあともやることがたくさんある不安
つまりこれは、頑張っている証拠でもある言葉なのです。
もちろん、毎回強い言い方にならない方が理想ではあります。
でもまずは、「こんな言葉を言ってしまう私はダメ」と決めつけなくて大丈夫です。
見方を変えると、声かけも変わっていく
この記事は、保育士として19年間、0〜6歳の親子と関わってきた経験と、子育てコーチングの学びをもとに書いています。
子育てコーチングで大切にしている考え方のひとつに、リフレーミングがあります。
リフレーミングとは、出来事そのものを変えるのではなく、見方や意味づけを変えることです。
簡単に言うと、「別の角度から見てみること」です。
例えば、
❌「言うことを聞かない」
⭕️「自分で考えて動こうとしている」
❌「全然進まない」
⭕️「一つ一つ確認しながら進めている」
こんなふうに見方が変わると、自然と出てくる言葉も変わっていきます。
子どもを変える前に、まず大人の見方を少し動かしてみる。
それが、毎日の子育てをラクにする大きなヒントになります。
「早くして!」をリフレーミングしてみる
「早くして!」を、コーチングの視点で言い換えると、
「次に何をすればいいか、分かってほしい」
「今、ここを進めたい」
というメッセージになります。
つまり、ママが本当に伝えたいのは「急いで」ではなく、“次の行動”を分かって動いてほしいということなのです。
そこで意識したいのが、行動を一つだけ、具体的に伝える声かけです。
子どもは「早く」と言われても、何をどうすればいいのか分からないことがあります。
でも、やることが一つにしぼられると、動きやすくなる子はとても多いです。
▼ 声かけの具体例(リフレーミング)
❌「早く着替えて!」
⭕️「ズボンをはいたら、教えてね」
❌「もう出るよ!」
⭕️「靴をはいたら、ドアの前で待っててね」
❌「早く片付けて!」
⭕️「このおもちゃを箱に入れようか」
保育の現場で感じた、伝わる声かけの共通点
保育士としてたくさんの子どもたちと関わる中で感じてきたのは、子どもは「急かされること」より「見通しが持てること」で動きやすくなる、ということです。
見通しというのは、「次に何をするのか」が分かることです。
たとえば、片付けの時間にただ「早くして」と言われるより、
「このブロックを箱に入れたらおしまいね」
「お片付けしたら手を洗いに行こうね」
と順番が分かる方が、子どもは安心して動きやすくなります。
これは家庭でも同じです。
朝の支度、食事、お風呂、寝る前の流れなど、生活の中には“切り替え”がたくさんあります。
そのたびに具体的な一言があるだけで、子どももママもずいぶんラクになることがあります。
声かけが変わると、親子の空気も変わる
子どもは、「何をすればいいか」が分かると安心して動けるようになります。
その結果、注意する回数が減り、ママのイライラも少したまりにくくなります。
もちろん、一度で劇的に変わるわけではありません。
でも、声かけが少し変わるだけで、
・注意する回数が減る
・言い直しが少なくなる
・ママが自分を責める時間が減る
そんな変化が少しずつ起きてきます。
「ちゃんと伝わるかな」と不安でも、まずは一つの場面からで大丈夫です。
小さな変化の積み重ねが、親子の空気をやわらかくしてくれます。
うまくできない日も、リフレーミングでいい
もちろん、毎回うまくできるわけではありません。
また「早くして!」と言ってしまう日もあります。
疲れている日、余裕がない日、予定が詰まっている日は、どうしても強い言い方になりやすいものです。
そんなときは、
「今日は余裕がなかったんだな」
「私、すごく頑張っていたんだな」
と、自分への声かけを変えてみてください。
子育てコーチングは、できなかった自分を責めないための考え方でもあります。
子どもへの声かけだけでなく、自分への声かけもやさしくしていくことが、とても大切です。
毎日怒ってしまう自分が嫌になる日もあると思います。
そんなときは、こちらの記事もあわせて読んでみてください。
毎日怒ってしまう自分が嫌になったときに、読んでほしい話
子育てに限界と感じる前に、ママが気づいてほしいこと
「また怒ってしまった」
「今日も一日バタバタだった」
そんな日が続くと、心の中に少しずつ疲れがたまっていきます。
そしてある日、「子育てに限界かもしれない」と感じることもあります。
でも、その気持ちは突然出てくるものではなく、毎日の小さな無理の積み重ねで大きくなっていくことが多いです。
だからこそ、限界まで我慢する前に、
- 今日は疲れているな
- 今は余裕がないな
- 少し休みたいな
そんな小さな気づきを大切にしてほしいと思います。
ママがラクになることは、子どもにとっても大切なことです。
親が少し落ち着けるだけで、子どもも安心しやすくなります。
子育てがしんどいと感じる理由を、もう少し整理して考えたいときは、こちらの記事も参考になります。
子育てがしんどいと感じる理由|ママの心が軽くなる考え方
まとめ
「早くして!」を言わなくなることがゴールではありません。
大切なのは、
・なぜ言いたくなったのか
・どんな気持ちがあったのか
そこに気づき、見方を少し変えることです。
そうすると、声かけは自然とやわらかく変わっていきます。
今日も悩みながら向き合っているママは、それだけで十分がんばっています。
完璧にできなくても大丈夫です。
一回の声かけで決まるのではなく、毎日の関わりの中で親子の関係は育っていきます。
もし今日また「早くして!」と言ってしまっても、そこで終わりではありません。
次の一回を少し変えてみること。
それだけでも、親子の空気は少しずつ変わっていきます。
ママが自分を責めすぎず、少しでも心に余白を持てますように。
その余白が、子どもとのやさしい時間につながっていきます。
