自己肯定感が高い子の親に共通する5つの特徴|保育士19年が解説
自己肯定感が高い子の親は何が違う?保育士19年で見えてきた共通点
「自己肯定感が高い子に育ってほしい」
子育てをしていると、一度はそう願ったことがあるのではないでしょうか。
私自身も3人の子どもを育てる母として、そして保育士として19年間たくさんの子どもたちと関わる中で、自己肯定感について考える機会が何度もありました。
以前の私は、「自己肯定感が高い子は、たくさん褒められて育った子なのかな」と思っていました。
しかし、実際に多くの子どもたちと関わる中で見えてきたのは、少し違う姿でした。
自己肯定感が高い子の親は、特別な教育をしているわけではありません。
高価な教材を使っているわけでも、常に優しく接しているわけでもありません。
日々の何気ない関わりの積み重ねが、子どもの心の土台を作っているように感じます。
この記事では、保育士19年の経験と3児の母としての経験から、自己肯定感が高い子の親に共通する特徴をお伝えします。
自己肯定感とは?
自己肯定感とは、「自分には価値がある」「自分は大切な存在だ」と思える感覚のことです。
勘違いされやすいのですが、自己肯定感が高い子は、何でもできる子ではありません。
失敗しない子でもありません。
自己肯定感が高い子は、失敗しても「大丈夫」「またやってみよう」と思える子です。
保育園でも、転んだり失敗したりしても、もう一度立ち上がろうとする子ほど、心の土台がしっかりしているように感じます。
文部科学省の調査でも、日本の子どもたちの自己肯定感について継続的な調査が行われています。
自己肯定感が高い子の親に共通する5つの特徴
1. 子どもの話を最後まで聞く
保育園で保護者の方を見ていると、自己肯定感が育っている子の親は、子どもの話を最後まで聞こうとしていることが多いように感じます。
内容は大人から見ると、ほんの小さなことかもしれません。
「今日ね」「見て見て」「これできたよ」
そんな一言です。
でも、子どもにとっては大切な話です。
話を聞いてもらえる経験は、「自分の気持ちは大切にされている」という感覚につながります。
子どもの自己肯定感を高める具体的な言葉がけについては、
子どもの自己肯定感を高める言葉がけ7選
でも詳しく紹介しています。
2. 結果より過程を認める
自己肯定感が育つ家庭では、「1位だったね」「上手だね」だけではなく、「最後まで頑張ったね」「工夫していたね」という言葉が多いように感じます。
結果だけを評価されると、子どもは失敗を恐れるようになることがあります。
でも、過程を認めてもらえると、「挑戦していいんだ」「失敗しても大丈夫なんだ」と思えるようになります。
3. 他の子と比べない
子どもは、比べられることにとても敏感です。
「お姉ちゃんはできるのに」「○○ちゃんはできているのに」という言葉は、子どもの自信を失わせてしまうことがあります。
大切なのは、他の子と比べることではなく、その子自身の成長を見ることです。
昨日できなかったことが、今日は少しできた。
その小さな変化を見てもらえることが、子どもの自信につながります。
4. 失敗しても受け止める
保育園でも、子どもたちは毎日たくさん失敗します。
コップをこぼす、友達とけんかをする、約束を忘れる。
それは成長の途中では自然なことです。
そんな時に「なんでできないの!」と責められるのではなく、「どうしたらよかったかな?」と一緒に考えてもらえる子は、失敗を学びに変えていきます。
5. 安心して甘えられる環境がある
甘えることは、自立の反対ではありません。
安心して甘えられる場所があるからこそ、子どもは外の世界へ挑戦できます。
自己肯定感が育っている子ほど、困った時に「助けて」と言える姿をよく見ます。
それは、安心して頼れる大人がいるからこそ育つ力なのだと思います。
保育士として19年間、多くの子どもたちを見てきました。
その中で感じるのは、自己肯定感が高い子は「何でもできる子」ではなく、「失敗しても大丈夫と思える子」だということです。
制作活動でも、「間違えた!」と言いながら笑ってやり直す子がいます。
一方で、「失敗したからもうやらない」となってしまう子もいます。
その違いは、能力の差だけではありません。
失敗した時に受け止めてもらえた経験や、困った時に助けてもらえた安心感が関係しているのではないかと感じます。
保育園で出会った2人の子ども
保育士として19年間たくさんの子どもたちと関わってきましたが、今でも印象に残っている一卵性双子の女の子がいます。
1歳の頃に出会った2人は、家ではママの取り合い、保育園では先生の取り合いをしていました。
おもちゃの取り合い、順番の取り合い、先生の膝の取り合い。
毎日のようにけんかをして、毎日のように泣いていました。
時には手が出てしまうこともありました。
それでも2人は、けんかをしては仲直りし、泣いては気持ちを伝え、少しずつ相手の気持ちを学んでいきました。
そして成長していたのは子どもたちだけではありません。
お母さんもまた、悩みながら、迷いながら、子どもたちと一緒に成長していく姿がありました。
子どもたちがけんかをした時、思うようにいかない時、そのたびにお母さんは向き合い続けていました。
今振り返ると、自己肯定感は「褒められて育つもの」ではなく、失敗しても受け止めてもらえた経験の積み重ねの中で育っていくものなのだと感じます。
あの双子の姉妹は、たくさんけんかをし、たくさん泣きました。
でも、その経験を通して少しずつ人との関わり方を学び、自分の気持ちも相手の気持ちも大切にできるようになっていきました。
あの双子は現在小学生になりました。
今でも姉妹げんかはあります。
それでも、自分の気持ちを言葉で伝えたり、相手の気持ちを考えたりする姿を見ると、人は失敗やぶつかり合いの中で成長していくのだと感じます。
私自身の子育てで反省したこと
私は保育士なのだから、きっと上手に子育てできると思っていました。
でも、現実は違いました。
仕事に家事に育児。
毎日時間に追われていました。
気づけば、「早くしてね」「あとでね」が口癖になっていました。
そんなある日、子どもが何かを見せる時に、
「ママ、よーく見ててね」
と言ったのです。
最初は何気なく聞いていました。
でも、何度も言うのです。
その時、ハッとしました。
私は見ているつもりだったけれど、本当はちゃんと見ていなかったのかもしれない。
料理をしながら、スマホを見ながら、片付けをしながら。
子どもは「今度こそちゃんと見ていてね」と伝えていたのかもしれません。
それからは、30秒でも手を止めることを意識するようになりました。
たった30秒でも、子どもの目を見て話を聞くと、表情がふっと柔らかくなることがあります。
自己肯定感を育てる特別な方法ではありません。
でも、「自分を見てもらえた」「自分の話を聞いてもらえた」という経験は、子どもの心の土台になっていくのだと感じています。
自己肯定感を下げてしまいやすい関わり
反対に、自己肯定感を下げてしまいやすい関わりもあります。
たとえば、否定から入ること、他の子と比べること、結果だけを見ることです。
「だから言ったでしょ」「なんでできないの」「もっと頑張りなさい」
こうした言葉は、親が子どもを思って言っている場合もあります。
けれど、子どもによっては「自分はダメなんだ」と受け取ってしまうことがあります。
大切なのは、叱ってはいけないということではありません。
叱る前に、まず子どもの気持ちや状況を見ようとすることだと思います。
「どうしたの?」「何が嫌だったの?」「一緒に考えよう」
そんな一言があるだけで、子どもの受け取り方は変わっていきます。
よくある質問
Q. 褒めれば自己肯定感は高くなりますか?
褒めることも大切です。
ただ、褒めることだけで自己肯定感が育つわけではありません。
「すごいね」「上手だね」だけではなく、「悔しかったね」「頑張ったね」「最後までやったね」と気持ちや過程を受け止めてもらうことが、子どもの心の土台になります。
Q. 小学生からでも間に合いますか?
もちろん間に合います。
自己肯定感は幼児期だけで決まるものではありません。
小学生でも、中学生でも、大人との関わりの中で少しずつ育っていきます。
Q. 親がイライラしてしまう時はどうしたらいいですか?
私自身も、イライラしてしまうことはたくさんあります。
完璧な親はいません。
大切なのは、失敗しないことではなく、気づいた時にやり直すことです。
「さっきは強く言いすぎたね」「もう一度聞かせて」と伝えるだけでも、親子の関係は少しずつ整っていきます。
イライラとの付き合い方については、
怒らない子育てはできる?保育士が考える親との向き合い方
の記事も参考にしてください。
まとめ|完璧な親じゃなくても自己肯定感は育つ
自己肯定感が高い子の親に共通するのは、特別な教育ではありません。
- 子どもの話を最後まで聞く
- 気持ちを受け止める
- 他の子と比べない
- 失敗を責めない
- 安心できる居場所になる
私自身も、まだまだ反省の毎日です。
それでも、「ママ、よーく見ててね」と言われたあの日のことを思い出しながら、子どもと向き合っています。
完璧な親でなくても大丈夫です。
今日ほんの少しだけ、子どもの話を最後まで聞いてみる。
その小さな積み重ねが、子どもの自己肯定感を育てていくのではないでしょうか。
子育てに正解はありません。だからこそ、一人で悩まず、誰かに話しながら進んでいくことも大切です。
この記事を書いた人
田中美穂(保育士19年)
保育士資格保有。保育園勤務、訪問保育、ベビーシッター、子育て相談など19年以上の経験を持つ。3児の母としての経験も活かしながら、子育て家庭への支援を行っています。
